砂漠に咲く花、ウェルウィッチア@スワコプムンド(ナミビア)

昨日ツアーに参加して、1000年以上も生きるという砂漠の花ウェルウィッチアを見に行きました。
ウェルウィッチアは地面に葉を広げて、まるで草のように見えるのですが、これは実は木で幹の部分が地上にあまり出ていないのだそうです。この植物はここナミブ砂漠の海岸沿いでしか見ることのできない貴重な種だそうです。

花は雌花と雄花があり、それぞれ別の木になるので、雌株と雄株があると思って差し支えがないようです。雄花は匂いがして、花粉は虫が運ぶのだそうです。残念ながらその匂いは人間にはわからないのか嗅ぐことはできませんでした。
しかし、虫に花粉を運ばせるということは、砂漠のなかに花粉を運ぶ虫も生存しているということです。ただし、この花の種子はなかなか芽吹くことがなく、芽吹くためには大量の水を必要とするそうです。そのため、個体それぞれには長い寿命が与えられているのではないでしょうか?花の様子は松の花によく似ていて、特に雌花は大きさこそ違えど形状はそっくりでした。

ここで疑問です。どうやってこの花の年齢を知ることができるのか?? これをツアーのガイドのおじさんに聞いてみるとC14でわかるのではというのですが…。
C14というのは炭素の同位体で普通はC12が多いのですが、空気中にはC14が一定の割合で含まれています。しかし、このC14はちょっと不安定でそのうち崩壊してしまいます。空気中では紫外線かなにかによってC14が生成されて、そのC14はいずれ崩壊するので空気中では一定の割合に保たれます。
植物の体は主に空気中の二酸化炭素を取り入れることによってできているし、生きてる間は代謝排泄もされるのでC14の含有率は空気中とあまり変わりません。ところが植物が死に、新しく外から炭素を取り入れなくなると、体内に残された C14が崩壊するのみとなり、C14の含有率を測定することでその植物が死んでから何年くらい経ったかわかるというのがC14による年代決定の方法だと聞いたことがあります。よく化石の年代を測定する時などに用いられるようです。

この場合は生きているウェルウィッチアであり、それも何百年から1000年くらいの短いスパンの測定ができるのかなと疑問に思いました。誰かよく知っている方がいたらメール下さい。

もうひとつ、興味のある生き物について博物館で知ることができました。 Golden Mole(キンモグラ)という生き物で、これもナミブ砂漠に特有の生物らしいのですが、ハリネズミとかに似た生物で、砂の中に棲みます。彼らの面白い特徴はなんと彼らは目を持たないのです。分類上は哺乳類になるのですが、なかなか目を持たない哺乳類とは思い当たりません。
よく深海に棲む生き物なら光が届かないために目の必要性が失われて、目を持たないもしくは目の機能を失っている生物がいるということは聞いたことがあるのですが、砂漠の真っ只中なら光だらけなのにどうして目を持たないのだろうと不思議に思いました。
しかしよく考えれば、砂漠では物に当たることもないし、目があっても見えるものは砂丘だけだし、下手に目があっても太陽の強い光にやられてよくないのかもしれません…。彼らは匂いで昆虫などを探し当てて食べているそうです。その時は砂の中を泳ぐように動き回って獲物の下から浮かび上がって捕らえるのだそうです。これは実物を見られなかったのが残念です。

その他砂漠に棲む生物にはそれぞれ乾燥から身を守るために色々な工夫が体中になされていることがわかってとても面白いツアーでした。
砂漠に棲む生物の多くは朝方の霧から水分を得ているそうです。そのためにいかに霧を集めて水を得るかが死活問題になるそうで、色々な生物の水のとり方についても説明してもらいました。
よく砂漠で見かける甲虫(カブトムシとかカナブンの類)には背中に特徴的なボツボツが縦に並んでいます。これはこのボツボツの列を伝って水滴が頭の方に流れるようにするためだったり、同じように縦に筋の入った植物なども見せてもらいました。その他水をかけると葉を開く藻(正確には藻に根茎葉の区別はなかったように記憶しているのですが)の一種などもいましたが、これは乾燥して葉を閉じている時には枯れ草かゴミにしか見えません。
全てが死んでいるように見える砂漠の世界も、よく見てみると多種多様な生物が息を潜めて、しかし確実に生きていることがわかって面白い経験でした。またその砂漠に適応する生命力に驚愕しました。

明日はこのスワコプムンドを離れてまたウィンドホークに向かうつもりです。
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by fuji_akiyuki | 2005-03-20 21:56 | ナミビア
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