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カキ氷 飽くなき戦い

タイ、カンボジア国境、ポイペット。
カンボジアに入ったとたん、道は悪くなり、道路に大きな穴が開いてたりして、どうしようもなく走りにくくなりました。
 そして、緑は消えて、ただただ、茶色い大地が広がるばかり、そして、照りつける太陽に焼かれんばかりになり、しかも逃げ込む影などぜんぜんありません。

 そうは言っても長くても10kmも走れば店やら、露店はあるのですが、それでもその10kmですらつらいくらいです。

 店を見つけるたびにコカコーラを飲み、ビールを飲んで走っていたのですが、ちょくちょく露店で見かける正体不明のものが気になっていました。
 何だろう、でもどこかで見たことが・・・

 ポイペットから3日ほど走った頃、突然気が付きました。
 それはあまりにもレトロで、今の日本ではなかなか目にしないカキ氷機でした。ん?かき氷を作るから、氷カキ機というべきなのでしょうか。

 とにかく、なんかのイラストで見たこの氷カキ機、突然頭の中で合点がいって、あ、そうだ、これ、かき氷を売っているんだと気が付いたら、この炎天下の中、食べない手はありません。

 気が付いたその日のうちに休憩のたびに2杯ずつ食べて、その日は10杯ほど平らげてしまいました。


 そしたら。。。

 その日から、10日ほど下痢が止まりませんでした。しかもまったく固形物のない、水下痢。胃は食物を受け付けず、まったく食べることもできませんでした。無理して食べてもその場で吐き出してしまいます。そのうち体力を奪われて、トイレにも文字通り這って行かなければならない状態。
 今考えてみれば病院にも行かず、生きていたのが不思議なくらいです。

 それでもそのダメージは大きく、プノンペン、サイゴンまで自転車に乗ることができずに結局バスでの移動を余儀なくされてしまいました。


 これが、10年前。大学3年と4年の間の春休みのことでした。
1999年なので精確にはまだ9年と9ヶ月くらいですが、10年前としておきましょう。

そして2008年師走。

今回は10年前とは逆にサイゴンからタイを目指します。
 ベトナム、カンボジアの国境、モクバイーバベッド。
前回ここを通ったとき、カンボジア側からでしたが、カンボジアが茶色い台地だったのに比べて、国境からいきなり緑豊かなベトナムに入り、その境目がきっちりと一本のラインとして見えたのが印象的だったのですが、今回、そのときよりはカンボジア側にも緑が増えて、そんな緑と茶色のラインは見ることができませんでした。
いや、そんなことより、私は国境ベトナム側にできたダイソーとカンボジア側にできた巨大なカジノ郡に心を奪われてそんなこと気にしてる余裕もなかったのですが・・・

10年前とはずいぶん変わったなぁ・・・


なんてのんきにダイソーを物色している間にいつの間にやら国境が閉じる5時が迫り、あわてて国境を越えると今度はカジノ。一発当ててやろうかと思いきや、ダイソーで興奮して買い物しすぎて余ったお金は6ドルほど。
これじゃ到底勝てそうもないし、そういうあぶく銭を当てにするのはよしたほうがいいと私の中の堅実な私がささやいたので(いや、実は夕方になって、夜もすぐそこまで来てるのにここで負けるとホテルに泊まることにもできずに相当惨めな思いをするだろうという臆病な予想と、さらに言えば汗臭いTシャツ短パン姿でカジノに入る前に門前払いを食らうのではというもっと惨めな予測のもと)カジノはあきらめて、浮かれきった自分を戒めてその日はプノンペンを目指して走ったわけです。

10年たって、ずいぶん緑豊かになったなぁ。

なんて人事のような感想を抱きながら20kmほど走って、小さな村で、結局テントを建てて練ることになったのですが、悲劇は次の日の朝に訪れました。

カンボジアは普通ツーリストは30日の滞在が認められているはずなのですが、カンボジアの場合これは入ったときの入国スタンプに記載されるようで、入国が私の場合

11 DEC 2008

となるわけですが、その下に有効期限が

10 JAN 2009 とか 11JAN 2009 という日付がスタンプされるはずのところに

24 DEC 2008


え。


11・12・13・・・・・・24

14日しかないジャン!!

なにこれ。


こういう場合、多くはスタンプが優先され、通常外国人は30日滞在できるとどんなにわめけど叫べど、出国のときに12月24日を過ぎていればオーバーステイ。罰金とあいなるわけです。

なぜなら、滞在期間が入国のときにスタンプされるような国の場合、その滞在期間は入国管理官のさじ加減しだい、つまり、入国管理官にその全権が託されているわけです。

しかし、カンボジアに対して、ないをしたわけでもなく、大体、前回の入国も前のパスポートなので、今回の入国は面倒を避けるために初回入国として申請しているわけで、どう間違っても滞在期間を減らされるいわれがないので、これは間違いなく入国管理官の間違いなんですが。

(『間違いなく入国管理官の間違い。』って、この言い回しあってるんですかね。なんだか、間違ってるんだか間違ってないんだかよくわからないですよね。)

こういうのはその場で確認して、すぐに指摘すれば大概はどうにかなるものなんですが、なにせ10年ぶりにカンボジアに入ってなんだか浮かれてぜんぜんそんなこと確認してませんでした。そもそもカンボジアで注意しないと間違えて2週間しかもらえないことがあるなんて聞いたこともなかったので、全然気にも留めず、20kmも走って、しかも一晩明かしてしまったのです。

ああ、もうだめだ。国境まで帰っても間違いを訂正してくれるとも限らないし、20kmといっても帰って戻れば40km、その上、そんな不毛な交渉をするなら、どんなにがんばっても1日は無駄にしてしまいます。

慌てふためいた私は、テンパって2週間で、どうやって、走って、どうすればアンコールワットとか見て、タイまで走れるだろうとプノンペンまで、そんなことを考えながら走ってきました。

そして、そんな情緒不安定な私に容赦なく照りつける太陽、のどの渇きが、向かい風、足の疲れ、などなど、いろんなものが次々に襲ってきます。

つらい、つらい、暑い。

そして、ふと見ると、

ありました。アイツが。

 そう、氷カキ機です。

 冷たい氷への甘い誘惑、そう、甘くておいしいかき氷があっちでもこっちでも私を誘惑してきます。

 しかし、カンボジアの氷は危険です、A型肝炎とか、腸チフスとか、赤痢とか。

 10年前だって、原因不明(カキ氷であることは明白なのですが、どんな病気かはわかりませんという意味ですが)の下痢で10日も苦しんだので、カキ氷には手を出すまいと心に誓ってカンボジアに入国したのですが・・・


 3日目。今日でプノンペンに到着するという日でした。

 ああ、もう我慢できない。大丈夫、今まで、5年近くも旅行してきて、お腹を壊したことはないし、ガンジス川の水だって飲めたんだし。きっと大丈夫だ。
ええい、食べちゃえ。

 1杯・・・おいしい。 もう1杯。

 2杯平らげて走ってみると、うーん、ちょっとゆるくなった気が・・・
 いやいや、気のせい、気のせい。

 そして次の休憩でも

 1杯、・・・やっぱおいしい。 もう1杯。

 全部で4杯。大丈夫、なんともないじゃん。

 と思って、走り出した直後、気分が悪くなり、おなかが痛くなって、ちょっとおなかを下した感じがしました。
 一時期はこれはもう走れないかなと思うくらい具合が悪くなってきました。
恐るべし、カンボジアのカキ氷、私の天敵かもしれません。

しかし、無理して走ってるうちに腹痛も吐き気もいつの間にかきれいに消えていきました。

 そう、カンボジアのカキ氷を克服したのです。
いまも、このネット屋さんに来る前にかき氷を食べてきたのですが、まったくなんともありません。本当によかったです。私はカンボジアのかき氷を食べられるようになりました。

 しかし、まだまだ、これからシェムリアップを経由して、タイまでの間に1日10杯のカキ氷を克服しなければならないという試練がまだ待ち受けています。

私のカキ氷への飽くなき戦いはもうしばらく続きそうです。


 注:ビザについては今日、プノンペンのイミグレーションオフィスに行ったら、修正液でスタンプを修正してくれて、晴れて1ヶ月カンボジアに滞在できることになりました。
                                           多分・・・





 
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by fuji_akiyuki | 2008-12-15 19:53 | カンボジア