マラウィの首都リロングェに到着しました。
ここに到着したのは3,4日前の話ですが、その到着した日、ここより50kmほど西の町からリロングェまで走ったわけですが、この日、私は危うく大惨事に巻き込まれるところでした。 スタートしてから15kmほどで最初の休憩をとりました。普段なら最初の休憩は30から40kmは走ってからとるのですが、その日はとてもとても向かい風がひどくて15kmいったところで疲れてしまったわけです。 その休憩を切り上げて再び走り始めた直後、対向車線を快調に飛ばしてきた乗用車が私とすれ違った直後バタバタバタと変な音を出し始めました。何だと思って振り返ったときには、その車は、対向車線(つまり私の走ってきた車線)を突っ切って反対側の路肩に落ちて横向きに一回転して大破しました。もし5秒遅く休憩を切り上げていたらと思うとちょっと生きた心地がしませんでした。 事故の原因はタイヤのバーストだったようです。古いタイヤをそのまま使っていたのか、もしくは路上に何か落ちていたのかのどちらかでしょうが、たぶん前者でしょう。路上は結構綺麗なものでそれほど物が落ちていることもないし、車のメンテナンス不足は目に余るものがあります。特にバスなどはフロントガラスにひびの入っていないバスはないのではないかと思われるくらいいつでもひびが入っているし、スピードメーターの動く車は見たことがありません。車検がないのでしょうがないのですが、これでは交通事故はなくならないなと思いました。 ところでマラウィに入って思ったことですが、この国は「Give me my money」がとてつもなく多いです。それもMY MONEYとくるところが腹が立ちます。いつ私がお前の金を取ったのだ。と思うのでいきなりそういってくる輩はすべて無視です。この旅行では、いきなりお金やものを無心しようとしてくる人は無視する方針で旅を勧めてきたのですが、 この国ではほとんどの人が無視の対象です。ここともっとひどかったのはレソトですが、いきなり金をくれなどといわれるとお前には自尊心も誇りもないのか、と説教をしたくなります。特に外国人旅行者や外国からの協力が多い国にそういう傾向があるようです。ガーナなんかもそんな国のひとつでした。 たぶん日本人は人に物をねだることを恥ずかしい行為だと教わってきているし、ましてや初対面の人間にそんなことを言ったら乞食かきちがいでしかないと思われるのではないでしょうか。 だから私は、いきなり「give me my money」などといわれると無性に嫌悪感が沸いてきて、時に怒りを覚えてしまいます。特に子供たちがまるでそれが当たり前のように何十メートルも離れた場所から大声で「give me my money, give me my money!!」 と連呼して、ほっとく大人たちや、一緒になってお金をねだる大人を見ているとムシズが走る思いがします。 これは都市よりも田舎に多い傾向です。都市ではこれをやるのは多くが乞食です。たぶん町では外人旅行者(特に白人だと思うのですが)がチップなどをばら撒いて、外人はお金をくれるという噂が回るとこうなるのでしょう。誰でもきっといきなり金くれなんていわれるといやな気持ちになるので実際に外人と接することの多い都市部の人はいきなり金をくれなんていってこないし、荷物を運んだり道案内をしたりしてチップをもらおうとしているようです。たまに押し売り的な場合もあるのですが。 しかし、「外人はお金をくれる」という噂が広まると、外人と見ればお金をせびる、物をねだる。こういう人が多くなるのはあまり気分のいいものではありません。もちろん金をくれといきなり言ってきたって誰もあげないだろうし、気分を害して逆効果なのですが、彼らにはそれが理解できない。そんなこと説明して歩く気はまったくないので、私は断固としてこういう人には絶対善処はしない、口も利かないと固く誓っていこうと思っています。これが私の意思表示です。 ついにアフリカの最大の見所、大地溝帯に到着したはずなのですが、まだ山という山は出てきてません。ここからマラウィ湖にかけて少し山があるようですが、それが大地溝帯の山なのでしょう。マラウィ湖は紛れもなく大地の裂け目のはずなので。 このあたりはプレートが生まれる場所で海底だと海嶺といわれる地形になるのですが、でかいのが大西洋の真ん中に走っています。これが地上に出てきているところは珍しいようで、ここから将来アフリカ大陸が2つに割れていくようです。 で、ここがなぜアフリカ最大のみどころかというと、この大地溝帯、溝なのですが、溝の両脇が高い山になります。地下からプレートがせりあがってきている部分だと思うのですが、この山脈のおかげで人類が誕生したのではないかといわれています。この高い山脈が西からの湿潤な空気を妨げて山脈を越えた空気は山脈の西側にすべて雨を落としてしまい、山脈の東側は乾燥し、森林は消滅し、人類の祖先(チンパンジー?)は木の上での生活から草原での生活を強いられ、もともと2足歩行に近かった人類の祖先は4本足に戻るより、立って歩くほうに進化したのではないかという説が有力だと聞いたことがあります。 この大地溝帯ができなければ人類は誕生しなかったのでしょうか。 私はそうは考えません。人類は生まれるべきして生まれてきたのではないかと思います。大地溝帯がなくとも人類の祖先は森を追われ、もしくは抜け出して人類に進化したでしょう。ただ、それが大地溝帯のおかげで少し早まっただけなのではないかと考えます。 生命の目的が何なのか、個体で見れば生きること?種で見れば子孫を残すこと?生命全体で見れば生命の脈々と続く流れを途絶えさせないこと?目的かどうかはわかりませんが、とにかく生命はこんなことに躍起になっているように思います。その流れを汲めばなぜ人類が生まれて文明を発達させてきたのか、おぼろげながら見えてくるような気がします。人類はある目的のために誕生させられたのではないかと思っています。生命はしたたかに、生き延びるために人類を道具に使うために作り出したのではないかと思います。 その意味では人類の誕生、そして文明の発達は必然であったように思います。 まあその話はまたいずれします。 これからスキューバダイビングのライセンスでも取ろうかなと思っています。
by fuji_akiyuki
| 2005-08-25 16:38
| マラウィ
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