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pas de problem 2@ヌアクショット(モーリタニア)

ガイドとのやり取りの詳細はこうでした。

ガイドのバハールは最初親切な振りをしてホテルでの食事代はいらないよとか言って安心させて食べさせるのですが、ツアーの始まる前日にアタールの近くの古い町の遺跡があるというところに行こうというのです。これはただなのかな、それともいくらかとられるのかなと思ったのですが、そのときはまだバハールを親切なやつだと思っていたので、安心してついていったのですが、アタールに帰ってきてタクシー代を請求されました。

そのころからちょっとこいつは信用できないぞと思うようになり、実際にツアーに出ると最初の説明とは工程が違うし、2日目には小さな村(ウルケイア)に何もせずに一日滞在すると言い出し、そこまでは我慢していたのですが、突然ホテルでの食事代を計算しだして、バハールはそれを払えといってきたのです。

食事代に関してはいくらだと聞いていたので、その時点でお金は要らないと聞いていたのでこれは完全な詐欺です。しかし、ここは車もない帰る手段のない小さな村で、電話もなければ外の連絡は取れない、そんなところでお金を請求してくる訳だから、卑怯この上ない。このままついていったら砂漠の真ん中でいくら払わされるかわかったものではない。ここで100ユーロ払わなければラクダを連れて帰るなんていわれたらたまったもんじゃない。完全にバハールを信用できなくなっていたのです。

そこで怒った私はツアーをやめて帰るといって、一人でその村を歩いて出ようとしたわけです。もちろんそこで私に何かあればバハールもただじゃすまないだろうし、このまま行かせる訳にもいかずに村人もバハールも総出で私を引き止めたのです。しかし、もうこのままバハールとツアーを続ける気もなく、どうにかしてアタールにつれて帰り、払った120ユーロを返せとバハールに迫ったのです。もちろん払ったお金が返ってくるとは思っていませんでした。しかしこのままだと多分バハールには儲けが出て、自分だけが損をする。だましたほうに儲けがあって、だまされたほうが損をするだけなんてそんなの絶対許してなるものかと、そう思ったのです。

もちろん最初はバハールも嫌がったのですが、どうにもならないこの状況を打開するためにバハールと取っ組み合いのけんかをしました。十数年振りかで人を思いっきり殴りました。

喧嘩は周りが止めるものです。村人が仲裁に入り、それで事件は大きく発展し、結局ガイドのバハールが12キロ歩いて無線のある村までいくことになり、それで車を呼ぶことになりました。

しかし、この無線で通じるのはジャンダルメリー(名前はかわいいけど実はポリスミリタリー)で、また、この国ではツーリストとのトラブルが御法度だったのです。 夜中にジャンダルメリーと一緒にオワダンという村まで行き、そこで一夜を過ごして、次の日夕方まで待って何とか車が見つかり、アタールに帰ることになるのです。

アタールで問題を解決するためにアタールのジャンダルメリーにいくのですが、そこにいたのがカーネルでアタール一帯のジャンダルメリーを取り仕切る司令官で、アタール一帯といってもモーリタニアは地図で見るとたったの3つに分かれていてそのうち一番広く、モーリタニア北側の半分以上を取り仕切っているなんかすごく偉そうな人でした。カーネルはバハールの話を聞き、私の話を聞き、結論を下しました。

明日の朝、バハールが120ユーロをカーネルに払い、カーネルが私にお金を返す。結局結果的には要求したとおりになったのですが、バハールは確かにツアー用の食事を用意して、車も用意したのです。彼はそれにかかった費用を捻出して、さらに120 ユーロを私に返すという彼にとって非常に厳しい結果となってしまったのですが、彼は私に
”pas de problem Mauritanie”(モーリタニアには問題はない)
といって、私を安心させようとするのです。カーネルも
”pas de problem Mauritanie, pas de problem tourist”
つまり、モーリタニアは周りの国からあまり安全な国とは思われていないのです。そして、こんな小さな事件でも大きくしてはいけないという気持ちが働いたのでしょう。カーネルの決断は一方的に私に有利で、モーリタニアを旅する人に問題は起こらないんだとそう主張するのです。

バハールも同じように口をそろえてツーリストは安心していいんだということをいってきます。

つい、その場で涙がこぼれてきました。バハールもはじめあまり文句を言わない私を見てちょっと沢山お金をとってやれという気持ちがあったのでしょうが、結局こんな結果になりながらも私を気遣ってくれたのです。

何でこんなことになってしまったのか、何かバハールに申し訳ないような気がしてしょうがなかった。ちょっとだけ、相手にも痛い思いをさせなければ気がすまないという気持ちがこんな結果を招いてしまった。なんとなく弱い立場の人間からお金をむしりとるようであまり気が進みませんでしたが、モーリタニアはツーリストを大事にしているんだという気持ちは伝わった一件でした。

モーリタニアは日本に沢山タコを輸出しています。そういう意味でモーリタニアと日本はかなり親密な関係にあるのだとカネールやヌアディブーで泊めてもらった人に聞きました。知らないところでつながっているものだなと感心させられました。

今日の気温は36℃くらいです。昨日までは40℃を越えていたのですが、ここヌアクショットに来て海が近いせいかお昼を過ぎても40まで上がりませんでした。このくらいだと歩く分には涼しく感じるくらいです。

ヌアクショットは首都のわりに小さいです。プノンペンと張るくらいだと思います。でもレストランやお店に看板があるのでわかりやすいです。今までの村はどこがレストランでどこが店かよくわからなくて、いつの間にか通されて注文もしていないのにいつの間にか何か出てくるとか、覗いてみると店だったり、なぜかお茶をご馳走になったり、結局システムのよくわからない国だったような気がします。そんなモーリタニアもあと3日くらいで抜ける予定です。
by fuji_akiyuki | 2004-05-21 00:00 | モーリタニア
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