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事故の詳細

心配してくださった方々。
協力を申し出てくれた方々。
アドバイスをくれた方々。
皆さん、本当にありがとうございました。
こんなに多くの皆さんに助けていただいてちょっと涙でそうでした。
マイミクさんの協力により、今日、無事にハンドルを発送していただけたようです。
 本当に感謝してます。

 これからは待つだけで、ちょっと落ち着いたので、事故の詳細について書きます。


その日は全行程で34kmと短くなるはずの一日でした。

 17kmくらい走ったところで、一度休憩をして、さらに10kmほど走り、5kmでペシャワールというところでした。

 事故は国道沿いで起きました。
そこは片側2車線で、真ん中に中央分離帯のある立派な道路でした。

 路肩が1車線分くらいの広さがあったのですが、舗装もまばらだし、してあるところもでこぼこで、そこを走る車はめったになく、たまに馬車が走ってるくらいでした。

 私も路肩に降りると凸凹するので、左側の車線の一番左側を走っていました。
 もちろん車全ては私の右側から抜いていきます。
(普通早いほうが遅い車を抜くときは右側からなんですが。)
 私は道路の一番端を走ってるわけです。

 後5km、日も高くなってきて、暑くなりだしたところにガソリンスタンドが。ガソリンスタンドにはたいていウォータークーラーが設置されていて、ちょっと水を飲もうと路肩に下りた瞬間でした。

 けたたましくクラクションを鳴らされて、振り返る間もなく轢かれました。顔の目の前をスズキの車体がものすごい速さで通り抜けていくのと同時に足元をすくわれるように自転車にありえない力が加わって、私の制御は無駄に自転車は倒れました。

 左側から当てられて、私は転倒し、腰を打ち、手を突いて手をすりむき、アスファルトの上を何メートルか何センチか知らないけど、滑り、ジャージが敗れました。

 スズキは私の左側、つまり、路肩を走っていたのです。しかも猛スピードで。
さらに、私の左側をすれすれで抜けようとしたのです。
 しかし、私が左に寄せたものだからよけきれずに当たったのでしょう。
 
 別に私が急ハンを切ったわけではありません。普通に後ろから来ていればああ、こいつは左に曲がるつもりなんだなってわかるくらいゆっくり車線を外れて路肩に下りたつもりだったのですが、路肩は1車線ギリギリ、つまり私を轢いた車には私をよけるだけの余裕が左側になく、ハンドルを切れなかったのだと思います。

 私ももともと、車線でない路肩に車が走っているなんてことはまったく想定してません。私にとっては左から車が来るなんてことはありえないことでした。だから注意していなかったというわけですが、あの場面で後方を注意するなんて意味がわかりません。路肩を走るほうが前方を注意すべきです。
 しかも私はゆっくり路肩に降りていったので、後方から見ていれば絶対に避けられるはずのものでした。

 避けられなかったのはスズキの運転手がスピードを出しすぎていたうえに、私と車体に十分な余裕がないのに抜き去ろうとしたためだと思います。

 私が思うには、彼はそんな不足な事態で、ブレーキも踏まず、ハンドルも切らず、クラクションだけを鳴らしたんじゃないかと思っています。
 
 いつも思うのは「クラクションなんか鳴らす前にお前がブレーキを踏むか、ハンドルを切ればすむことだろう。」なんですが、いつも彼らは逆をやります。
 クラクションだけ鳴らして、相手がよけるのが当然。
 だから事故が起こるんだって。うるさいばっかで。

 しかもドライバーはどいつもこいつもせっかちで、我先に我先にと少しの隙間でも入ってこようとします。

 日本であれば自転車で走ってるとある程度自転車と車の間に余裕を持って抜いていってくれますが、このあたりでは絶対そんなことはしません。アホみたいに直進して、すれすれでも通り抜けようとします。それでも邪魔だと思うとクラクションです。 
 「お前がよけろ、反対側にいくらでもスペースがあるだろう。」っていつも思います。

今回はそのすれすれで通り抜けようとしたところで私は左に入ったというところで事故にあったようです。

 後ろから当たられたため、左のリアキャリアーがひしゃげ、まだ一度も使っていないマットが千切れ。ハンドルが折れてしまいました。

 ドライバーは車を止めて飛んできたには飛んできたのですが、私を別の車に乗せて、何か言付けるとどっかに行ってしまいました。

 そしてその車は私を自転車屋に連れて行きました。

「バッカじゃないの!?」本気で、
 何で事故がおきて、被害者を真っ先に自転車屋に連れてくバカがどこの世界にいるんだ。

 しかもその自転車屋にハンドルなんて売ってるはずもなく。
「こんなところにつれてこられても困る。とりあえず自転車は動かないし、宿まで連れて行け」
って行っても英語も通じず、結局そのドライバーも逃げていってしまいました。

 本気で途方にくれました。どこだかもわからないし、どうしていいのかもわからないし。

 私をひいたドライバーに対する憎しみが募るばかりです。

 自分勝手な運転をして、事故を起こしても責任をとることもせずに逃げてしまうし、あんな男に車を運転するような資格はない。

 これからどうしようか?

 自転車を捨ててバックパッカーになろうか?

 そんな選択肢も頭の中に浮かんだのですが、これはできない相談だなって、すぐに思いました。 
 これでバックパッカーになっても多分満足できないって。

 パキスタンではハンドルは手に入りそうにもないし、送ってもらわないとだめかな。しかもここどこ?

 取り残されて呆然としているところに近くのガス屋が手に包帯を巻いてくれて、ジャージを縫ってくれて、お茶を出してくれて、宿の近くまで案内してくれました。
 ああ、こうしてしんせつんしてくれる人もいるんだなぁとちょっと嬉しくもあり、悲しくもなりました。

 結局自走で、左のハンドルは折れているので、手を添えるだけで走ってきました。

 で、ネット屋さんを見つけてハンドルを手配することに血眼になったというしだいです。

 
 おとといここ、ペシャワールで爆弾テロがありました。
 そのとき私は新市街にいたのですが、テロは旧市街、最初に取り残されて呆然としていた辺りみたいです。
45人くらいが死亡したそうです。

 でもやっぱり、テロより私には交通事故のほうがよっぽど身近で怖いものだと思いました。

 それにしてもこの爆弾テロ、いったい何のためにやってるんでしょう。
 こんな爆弾テロで、誰一人動かされないし、こんなもの恐れてちゃ何にもできません。町の人ですらテロで騒いでるようなところも見受けられませんし。
 こんなことしたって、政治的に何かが動くなんて到底期待できっこないのに。いったい何がしたいんでしょうね。

 これこそ本当に「バッカじゃないの!?」ってかんじです。
ただただ、むやみに人の心に悲しみと復讐心を植えつけるだけですよね。

 もう少し利口になったほうがいいと思うんですけどね。
もうちょっとうまいものを食べようとか、事故のないように運転するにはどうしたらいいかとか、いくらでも努力のしどころはあるはずなのに。
 
 
by fuji_akiyuki | 2007-05-17 20:20 | パキスタン2
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