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屍 臭

カリフォルニア半島を南下するにつれて、気温も上昇し、日差しも強くなり、日中走るのが辛くなってきました。
でも、そんな暑さだからこそ、ビールがおいしい。

バハカリフォルニアにはあんまり人が住んでません。街もあんまりありません。基本は砂漠なので、木もありません。日中、お店でもないとまともに休むこともできません。
それなのに、人も町も少ないせいか、20から30km、ときには40km以上も休憩することができなかったりします。炎天下の中、1時間、2時間と走り通しの羽目になったりします。
おかげで、 ビールがおいしくて、しかも大瓶1本1リットル弱なので、ついつい酒量も多くなり、大体毎日3リットルのんで、ああ、やばい、のみ過ぎかもって思っている始末です。
でもその暑くて、のどが乾き切って、水分を切望している体には1リットルのビールは天国なんです。


しかし、冷たく冷えたビールを飲んでる時はまさに天国なのですが、こう暑くなってくると、本当に走るのがつらくなってきます。
そしてまた、暑くなるとあの臭いが。。。


屍 臭


道路や道端にころがる動物の屍は、暑いために急激に腐り出して、異臭を発します。
この屍臭、ちょっと嫌な臭いなのですが、いつの間にかなじみになってきてしいました。
大体このにおいをかぐと必ず近くに死骸が転がっています。逆に死骸を見つけると、必ずこの嫌なにおいをかぐことになります。そしてその臭いにつられて、鷹だかトンビだか鷲だかが屍を啄みに集まってきます。
大概は車に引かれた犬かねこ、野ウサギ、そんなような物みたいです。
でも、たまに大きな骨とそれにかぶるような皮の残骸をみることもあります。
これはきっと馬か牛か山羊あたりみたいです。車に轢かれたのか、はたまた、この暑さで、力尽きてしまったのでしょうか、たしかにこのあつさなら、野垂れ死んでも不思議はありません。
真相は分かりませんが、とにかくたくさんの死骸を見ます。毎日毎日、10体や20体じゃ済まないくらい見ます。

幸い、まだ人の死骸は見ていませんが。。。

しかし、気がつくと動物の死骸と同じくらい、いや、もっとたくさんかもしれません、十字架が立っていました。
お墓ってことはないかもしれませんが、きっとそこで亡くなった方がいたのでしょう。事故が多いのかもしれません。その十字架には花と一緒にどういう趣味をしているのか、車のホイールだったり、ハンドルだったり、割れたフロントガラスの一部だったり、ボディの一部だったりが一緒に供えられています。
道路は2車線、綺麗だけど、全く路肩がありません。それなのにトレーラーは車線の幅いっぱい、ぎりぎりでも無理やり私を抜かしていくのを見ているとたしかに事故も多そうだなとは想像に難くありません。

ロスでも事故を起こしたし、ちょっとナーバスになっているのかもしれません。後ろから来る車の音に少し恐怖を感じます。

でも、事故に限らず、この暑さも最近かなり殺人的です。

4、5日前でした、その日は暑かったうえに、地図に載っていて、期待していた道路わきのレストランが立て続けに閉まっていて、40kmほど休むことができませんでした。
手元の温度計だと38度か39度位を指しています。
気温が体温を超えると風は熱風に変わります。
それでも、汗をかいていると、熱風にさらされた汗が蒸発することによって、熱を奪って体温を下げて消えていってくれるのですが、40km太陽に焼かれて熱風に晒されていると、汗もかかなくなってきます。
どこかで休憩がしたくてもこの太陽の下では休めません。
木陰でもあればと思うのですが、ここに生えているのはほとんどがサボテン。そうでなくても、ほとんどの植物をトゲを持っているので、不用意に近づくこともできません。
どこまで行けば次のレストランがあるのかも分からず、あの丘を越えればなにか見えるかも、どこか休める場所があるかも。ここで無理に陰を見つけて入ったところで、冷たい水もないし、ビールもない。しかも、あと2kmも走ったら何かがあるかもしれない。
そんなおもいで、無理して走ります。

無理がたたって、ふらふらになり、汗もかかず、もうこれ以上進めない、そう思った時に屍臭が漂ってくると、ああ、こうやって力尽きるのだろうか。そんな気がしてきます。
もうダメだ。とにかく休もう。そう思ったところはあとで分かったのですが、次のレストランまであと6kmの位地でした。
休むといっても木陰はないので、どこに身を隠すかというと道路の下、雨が降った時に水が道路の下を通るために作られたトンネルです。
なかなか大きいのが見つけられずにその時見つけたのはどうにか這えば入れるくらいの低いものでした。
とにかくそこに潜り込んで、体を横たえて、休みます。
風は地面に近いだけあって、大地の熱をふんだんに吸収して、さらに熱いのですが、耐えるしかありませんでした。
なぜか全然汗も汗もかかないので、ペッおボトルに入れたすでにお湯と化した水を体にかけて、体をぬらして約2時間耐えました。

こういうのが、日射病とか、熱射病とか、熱中症って、いうのかもしれませんね。
この時ばかりは屍臭が恐怖を喚起するものに変わりました。このままこんなところで野垂れたら自分もこんな臭いを発して鷹だかトンビだかに突っ突かれるのだろうかと。

走ってるとこの臭いがよく鼻を刺激しますが、いつまでたっても慣れることはありません。


カリフォルニア半島を南下すること1500kmようやくフェリー乗場のあるラパスという街に到着しました。
ボリビアの首都と同じ名前です。半島の先まではまだ200km程あるようです。
しかしわたしはここからメキシコ本土にフェリーで渡ります。
フェリーのつく先マサトランから、首都のメキシコシティまで、まださらに1000km以上あるようです。

---気が遠くなるばかりです。
半島より本土の方が暑いだろうし。。。。
by fuji_akiyuki | 2009-06-29 07:52 | メキシコ
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